おばあちゃんとの思い出 ー る…ルソン島のる
天皇陛下が訪問中のフィリピン。
私は広島生まれなこともあって、戦争に対して知りたい、知っておかなくては、という気持ちが少し人よりも多いかもしれません。
原爆が投下された日、終戦の日、知らない人がいるのが悲しいです。
8月6日、8:15には長いサイレンがなります。
それは、当たり前の風景。
話がそれましたね。
私はとてもおばあちゃん子で、私の原風景はおばあちゃんと過ごした広島の古い家にあると思っています。
弟が生まれる時に預けられたり、その後も私一人でおばあちゃんに会いに行ったり、社会人になっても時間ができると一人で会いに行っていました。
そんなおばあちゃんと過ごした幼い日の中に、しりとり遊びをしていた日がありました。
祖母「さる。」
私 「また、ルだよ〜!ルはもうないよ〜(泣)」
祖母「ルはね…る、る、る…ルソン島」
私 「ルソン島?」
祖母「遠い国の島だよ」
私 「?日本じゃないの?とにかく、分かったよ〜!ルソン島ね!次はウ!」
その時はルのレパートリーが増えた、ルビー、ルール、ルーレット、ルソン島、と思っていました。
でも、いつもは子ども相手に、突き放したような大人の言葉を言わない祖母が、発したそのカタカナの単語がひっかかり、忘れられずにいたのです。
その時の祖母の怒ったような、さみしいような、悟ったような、悲しいような、言葉を継がせない諦めの雰囲気。
聞いた時は分からなかった、いろいろな意味。
私の中で刺さったまま、いつまでもその時の祖母がいます。
想像力を失わないで生きていこうと思います。